トリアージの重要性
トリアージとは、一般的には、重要で最初に扱うべき者を選別(および決定)することを言います。
特に医療の世界では、患者の重要度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うことを指します。
2005年4月25日に発生したJR福知山線脱線事故の現場で、災害派遣医療チームが行ったトリアージが有名です。
トリアージで使用されるタグは黒、赤、黄、緑の4色に分けられています。
黒:カテゴリー0 死亡または生命兆候がなく、直ちに処置を行っても明らかに救命が不可能なもの。
赤:カテゴリーⅠ 生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置をすべきもの。
黄:カテゴリーⅡ 基本的にバイタルサインが安定しているものの、早期に処置をすべきもの。
緑:カテゴリーⅢ 歩行可能で、今すぐの処置や搬送の必要ないもの。完全に治療が不要なものも含む。
以上にカテゴライズされます。
現在、新型コロナウイルス第4波真っ只中なのですが、政府や自治体がやらなければならないことは、対応策にトリアージを取り入れることです。
実際にトリアージをする場合、もっとも重要なことは、まず始めにブラックタグを切ることです。つまり、やらないことを決めることです。
新型コロナに関しては、政府や自治体は終始、全体を助ける(ブラックタグは切らない)という方針で突き進んでいます。しかしながら、この対策は、全体を助ける=全体を犠牲にするということになりえます。
そして、結果的に、全体が助からないということにもなりかねません。
緊急事態宣言やまん防も市民が慣れてきたから効果がないのではなく、市民レベルで効果が実感(確認)できないから、やってもしょうがないということで、人流が抑制できていません。
また、予防接種にしても医療従事者の次は、高齢者。というのもトリアージができていません。
将来のために、予防接種すべきは、医療従事者の次は、学生、教員、労働者、経営者のはずです。
今は、人命も経済も両方守らなければなりません。そうであれば、経済において、「消費」しかしない高齢者は後回しにして、社会の未来を守るために、学生、教員、労働者、経営者を優先すべきです。
一刻も早く、そちら側に舵を切らなければ、経済的事情で亡くなる方が増えていくことが予想されます(今までも十分なくらい出ているのですが・・・)。
そのためには、東京オリンピックはしないというブラックタグを切って、日本社会の正常化に舵を切るべきだと思います。
トリアージは、医療の現場だけではなく、仕事場でも使える考え方です。みなさまも、仕事に取りかかる前には、まず、ブラックタグを切ってから、仕事に取りかかってください。