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学校に行かない

学校に行かない

 少し前に、学校に行かない子どもが話題になっていました。小学生のときから不登校でユーチューバーになった子が、中学校にも行かないと宣言し、SNSではかなり騒がれていました。その騒ぎの中には批判的な意見も多かった印象があります。

 そもそもこの騒ぎは、「子どもが学校に行かない」ということではなく、「子どもが学校に行かないことを平気でSNSに晒し、大々的に掲げることで収入を得ている」ということが問題視されていると思います。

 子どもに十分な教育を与えることは、親の義務です。学校に行かない宣言をした、まだ12歳の彼の親は、「学校に行かなくても学ぶことはできる」と断言していますが、他人から「じゃあどのように、1日何時間勉強させているのか」と問われると、「そんなこと他人のあなたに言う必要などない」と毎回途端に口を閉ざしています。たしかに、他人にわが子の勉強時間や方法を晒す必要はありませんが、その理論で返すならば、そもそも学校に通わないわが子を晒して収入を得るような行動をしなければいいのに、と感じました。12歳の彼に対して賛成も批判もしていませんでしたが、親のこういった言動は、批判されざるを得ないなと庇う気持ちにもなれませんでした。

 こういった親の育て方や信念により、批判されるのは子どもです。

 私は昔見ていたドラマで好きな言葉があります。

 「子どもは社会を映す鏡だ。子どもの素行が悪いときは、たいてい周りの大人が悪いのだ」という言葉です。マハトマ・ガンジーも、似たような言葉を残した、と言われています。

 この言葉のように、事実、12歳の彼のことをただ面白がって賞賛したり、実験台としてみている人はたくさんいます。彼も、周りの大人によって作られた被害者なのではないかと思います。

 いつだって大人の犠牲になるのは子どもです。親や周りの大人の行動1つで、子どもの人生や性格は大きく変わります。そして子どもたちがそれに気づくのは、たいていもう手遅れのときです。

2021.05.28