ニュースには温度がある
「幼稚園バスが園バスで小1はねる」
6月30日午後、岐阜市の交差点で下校途中の小学1年生の男の子が幼稚園のバスにはねられました。男の子の命に別状はなく、軽傷とみられています。
警察によりますと、30日午後3時すぎ、岐阜市の交差点で、道路を渡っていた小学1年生の男の子が、左から走ってきた幼稚園のバスにはねられました。男の子は病院に搬送されましたが、会話はできる状態で、軽傷とみられています。
幼稚園のバスは67歳の男性が運転していて、他にも園児と職員7人が乗っていましたが、けがはありませんでした。男の子は下校途中で、周囲には他にも児童数人がいましたが1人で交差点を渡っていたところをはねられたとみています。
交差点には押しボタン式の信号があり、警察が当時の状況を調べています。(2021年6月30日 日テレニュース)
このニュースは、全国ニュースになりましたが、おそらく、普段の状況では、岐阜県内のローカルニュースでとどまったでしょう。
しかし、6月28日に千葉県八街市で起きた小学生5人を死傷させるトラックの交通事故を受けて、「自動車事故と子ども」というニュースの温度がマスメディアの世界で上がりました。
今のニュースは、クリックさせれば勝ち。されなければ敗け。というニュースの重要度は関係ない世界で動いています。
28日の事故以降、「自動車事故と子ども」という内容であれば、ニュースを見る人の関心度が上がっているため、楽にクリック数が稼げます。そこに、幼稚園バスと小学生の事故が起きました。恰好の的が出てきたわけです。
幼稚園や保育園を取りまく報道環境もこのニュースの温度に左右されます。
ここで問題になるのは、前出の岐阜の幼稚園は、67歳の運転手に、その状況を説明したのか。いつもより、慎重な運転が求められるということを理解させた上で、バスの運転を任せたのか。ということです。
事故防止には2つの目的があります。1つは、事故自体の発生確率を下げること。そして、もう1つは、事故発生後のダメージを下げること。です。
自動車事故は避けることができません。したがって、ニュースの温度が上がっているときは、特に同様の事故は起こしてはいけないということを認識し、従業員の危機意識を引き上げるようにしなければならないのです。