現場力ってとても大切
政府が原則2歳以上の園児にマスク着用を努力義務を求めてから、現場の反応が思わしくなく、なんとなく立ち消えになっています。
今までの間も保育現場から、「2歳以上に原則マスク着用はとても難しい」という声が多く上がり、それに保護者も納得する形で、政府方針は無理に押せず、色あせていったように思えます。
さて、ここで問題になるのは、「なぜ、このような反応になるのに、厚生労働大臣は無意味は発言をしたのか」です。
もちろん、この方針は厚労省のものであり、大臣個人のものではありません。つまり、協議した結果、こうなったのです。
では、なぜ、このような結果になったのでしょうか。
それは、止める人がいなかったからです。
つまり、「そういう方針を打ち出すのは良いのですが、だぶん、現場ではできないっすよ」という意見を言える現場を知っている方がいなかったからだと思います。
これと同じようなことで、私が常々、不思議に思っていることがあります。
それは、重大事故の第三者委員会には、なぜ、必ず弁護士が入っているのか。ということです。
この委員会は、事故の発生原因を分析して、再発防止策を提案するのが目的です。
そもそも弁護士とは、法律の専門家です。事故の分析に法的な責任の面からのアプローチは必要だと思います。しかし、それは、報告書が出来上がった後で、意見として付け加えられればいいことですし、最終的な法的責任の有無は裁判所が決めることなので、弁護士の一意見にすぎません。
第三者委員会が設置される事故の大半は、被害園児が亡くなっています。
その分、再発防止策は、真剣に検討し、全国の保育施設に周知徹底すべきです。
しかしながら、行政が設置する第三者委員会には、事故現場を知っている方がほとんどいません。
今後、第三者委員会の構成メンバーが見直されない限り、重大事故報告書の精度が上がることはないでしょう。
それゆえ、園児の死亡事故が繰り返されるという悪循環からは抜け出せないのだと思います。
ぜひ、今後の第三者委員会には、保育現場をよく知る方、保育事故の現場をよく知る方をメンバーとして招集していただければと願っています。